僕を作り上げた本【ぼくたちと駐在さんの700日戦争】ママチャリ
「俺たち、捕まっちまうのかな」
「捕まるわけがないさ。だって、俺たちは
風なんだぜ。
誰にも捕まえられないさ。」
出会いは小学生の時です。
本屋でたまたま目に入りました。
ちょうどその頃学校の図書室で「ぼくらの7日間戦争」を読んだというのもあって目を引いたのかもしれません。
この小説は、僕にとんでもないほどの影響を与えました。
小説でお腹が痛くなるくらい笑ったのも、びっくりするくらい泣いたのも、この小説が最初で最後です。
10年近く、このシリーズを追いかけ続けてきました。
元はブログ小説から始まったこのシリーズ、口コミで広がり開始から1年もたたずに500万HITを超えます。そして書籍化、映画化までされています。
なんと、半分実話なんだとか
現在書籍では27巻まで発売されています。
HPで全話無料で読めるので、少しでも興味を持たれた方はぜひ!!!!!!!
http://700days.blog69.fc2.com/blog-entry-3.html
舞台は1970年代後半のある田舎町、そこに住むヤンチャでムチャな男子高校生と、駐在さんがイタズラ合戦を繰り広げます。
内容はしょうもないものばかり、駐在所にエロ本を届けてみたり、セクシーな下着を駐在所のところどころにしのばせてみたり・・・
なーにやってんだこの人たちは、当時の僕を唖然とさせました。
それに対するいい大人である駐在さん、まぁー大人げない!
エロ本を自転車に縛り付けてお返しに来るのです。こんなのはまだまだかわいいほうです。
なーにやってんだこの人は、当時の僕を唖然とさせました。
物語を彩るのは個性の強すぎる登場人物達、ひとりひとりが主役でまた物語が作れそうな程です。
悪戯考案担当のママチャリ、彼の名前の由来は情けないというかなんというかなので実際に読んで確かめてください。
どスケベ喧嘩担当の西条くん、口にするのも恥ずかしいような題名の本をたくさん持っています。異名は「瞬殺西条」、かっこいい・・・
作者曰く、この西条君が主人公なんだとか。
成績優秀のイケメンで実家も名家!そのうえかなりのシスコンのグレート井上、なぜかママチャリ達の悪戯に加わり続けます。
勝つためなら手段を選ばない、上から下まで正真正銘の不良、孝昭くん。
スケバンの姉に怯えながら、井上くんの妹のクマを狙い続けます。
意味がわからないかもしれませんが、こんな感じなのです。
僕はこの孝昭くんが1番好きですね。
登場人物のことまで書き出しちゃうときりがありません・・・
この他、まさに多種多様な登場人物が大暴れです。犬やクマ、豚に馬まで出てきます。
変わった視点かもしれませんが、サブタイトルも魅力的でセンスを感じます。
「俺たちは風」「すもももももも」「マリア様によろしく」「プロポーズはテノールで」「夏いちりん」「スイートピーロード」「チクリ小町のポーラスター」・・・
このままだと全てを書き出してしまいそうです。
「スイートピーロード」、僕の特に好きなもののひとつです。
そして、いつかラブソングを作ったら、タイトルは「ポーラスター」にしよう。
そう思っていました。
ポールスター、ポールスタア (pole star)、ポーラスター (polar star)
北極星、南極星のこと。ただし現在南極星にあたる星はない
昔から旅人やなんやかんやの目印とされていたようです。
私の道しるべ、そんな感じでしょうか。
好きすぎて何からどうやって書いていけばいいのかわかりません。
何がここまで僕を惹きつけ魅了するのでしょうか。
現実が舞台であり、半分が実話とされていながらも、手の届くことのない理想郷のようなもの、異世界なんかよりも遙か遠くにある物語。
目の前のことから逃げたくてしょうがなかった僕からしたらかっこうの隠れ家だったのかもしれません。
卑屈になって無理矢理考えるとこんなかんじでしょうか。
違います。
純粋に面白い!面白すぎる!!!!!
笑って泣けるってのはこういうことなんですよ。
無駄のないストーリーにセンスのある会話劇、僕の欲しかった物の全てが詰め込まれていたんです。
読むのに夢中になりすぎて、僕も彼らの仲間になったような感覚に、一緒にわいわい騒いで悪戯しているような感覚に、そんな夢のような作品です。
ぼくたちと駐在さんの700日戦争 2 (2) (小学館文庫)
- 作者: ママチャリ
- 出版社/メーカー: 小学館
- 発売日: 2008/05/08
- メディア: 文庫
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2巻ぐらいまでが入門編って感じでしょうか、映画と同じところまで進みます。
良ければ是非。
作中に出てきた曲です。心を掴まれました。
ぼくちゅう「悪戯の定義」
1・相手に怪我を負わせてはならない
2・しかけられた相手も笑えなくてはならない
3・相手が弱者であってはならない
4・償いができないものは悪戯ではない